適正在庫を維持する8つのメリット

適正在庫を維持する8つのメリット

適正在庫を維持することは、財務視点、顧客満足、効率化の3点にメリットがあります。

  1. 財務視点:在庫がとどまることの資金負担、保管や作業などの経費負担
  2. 顧客視点:売上の機会損失を防ぎ、顧客満足を上げる
  3. 効率化:在庫の入出庫、横持ち、在庫管理作業の負担

適正在庫にする具体的な8つのメリットを紹介します。

適正在庫の8つのメリット

デメリットは何もありません!会社として適正在庫を目指さない理由は一切ありません。

キャッシュフローが良くなる

在庫として滞留するお金が減らせるため、キャッシュフローが良くなります。

過剰・滞留・不良在庫で困っている会社の共通点は、資金繰りの悪さです。

 

適正在庫にすることで、資金繰りの大幅な改善が期待できます。

 

キャッシュコンバージョンサイクル

キャッシュフローを管理する指標としてCCC(キャッシュコンバージョンサイクル)があります。

今、世界的な企業であるアマゾンは創業時からCCCを重視した経営を行ったことで有名です。

CCCを重視することで、常に潤沢な資金を持つことができ、積極的な投資ができたため、急速に成長しました。

キャッシュコンバージョンサイクルの計算方法

在庫金利を減らせる

銀行から借金すると、借入の金利として銀行に利息を支払わなければいけません。

また、会社の資金を仕入れに使わず、もし他の方法で運用すれば利息が入ってくる可能性もありますし、

販促や商品開発に使えば、売上をさらに増やせる可能性もあります。

 

在庫を持つ=機会損失が減ると短絡的に考えるのは、やめましょう。

管理コスト(経費)の削減

在庫を管理するには、人と場所が必要です。

在庫が多ければ多いほど、広い保管場所が必要です。

広い倉庫は、一人だけでは作業できません。倉庫が広くなればなるほど、倉庫作業員はたくさん必要です。

 

ある会社では、倉庫を4つ借りていました。

倉庫代は1カ月で10万円で、20年間借りていたので、その間に損した金額は、なんと2400万円です。

整理を実施した結果、倉庫を1つ解約することができました。

その会社は、倉庫管理者も1人減らすことができたため、倉庫代と人件費を削減できました。

整理の効果と具体的な進め方

値引きを減らせる(売上・利益の確保)

特に、季節品、流行品、イベント商品など売れる期間(使用できる)が決まっていたり限定されている場合は、その期間を超えると急に売れ行きが悪くなったり、全く売れなくなります。

在庫を売り切るためのセールや値引きを減らすことができます。

セールや値引きが多いと、当初想定していた粗利を確保することができず、利益が減ってしまいます。

値引きやセールで利益が減る

さらに、セールや値引きのための準備や宣伝なども必要になるため、経費も余計にかかってさらに利益を圧迫します。

特にアパレル等は、セールが常態化している業界で、セールを待つということが顧客にもしみついています。

私の周りでも「セール直前しか衣類を買わない!」という人もいます。

廃棄の削減

値引きやセールをしても売れない場合は、いよいよ商品は廃棄せざるを得ません。

また、在庫管理ができていない会社は、棚卸などで在庫が残っていたことに気づくということもよくあります。

 

廃棄すれば、商品にかけたお金が完全に無駄になるだけではなく、廃棄にかかる費用、廃棄のための事務など余計な経費も掛かります。

廃棄にかかる費用

 

横持ち運送を減らせる

さらに、倉庫が増えると「横持ち」という運送が増えます。

横持ちとは、倉庫間の移動のことで、入荷したものを出荷や保管のために、別の倉庫に移動する作業です。

 

横持ち(倉庫間移動)

消費地に近い場所に保管して、すぐに納品できるようにする「積極的な横持ち」は、戦略的に重要です。

しかし、在庫が多くなり、保管場所が足りず、仕方なく倉庫を借りる「消極的な横持ち」は問題です。

 

消極的な横持ちは、保管場所の確保が目的なので、倉庫が増えれば増えるほど、置けないから他の倉庫に置かざるを得ない「仮置き」が増えます。

その結果、横持ちも増えてしまい、運送費もかさみます。

最悪の場合、倉庫に出したものを戻して、また別の倉庫に運ぶという二重三重の横持ち運送も発生します。

 

適正在庫にすると、倉庫を減らすことができるため、横持ち運送を無くしたり、最小限に抑えることで運送費を減らせます。

既にあるものを減らすために、まずは整理と在庫削減が必要です。

以下のページで整理や在庫削減の詳しい解説をしているので、ぜひご覧ください。

顧客満足の向上(機会損失の回避)

勘や経験で在庫管理をすると、発注漏れや、必要な在庫数を確保できていないことがあります。

適正在庫に保つことで、在庫切れや適正量の在庫を持つことができます。

その結果、

  • 売上の機会損失の回避
  • 待ち時間の短縮(すぐに納品できるので、顧客のニーズにすぐに答えることができる)
  • 信頼性の向上(自分が必要とする商品がいつでもすぐに手に入ることは、企業の信頼性につながる)
  • 価格の安定(需要の変動による急激な価格変動を抑えることが可能になる)

現場作業の効率化や生産性向上

在庫を適正化することで、現場作業の効率化、生産性の向上が実現できます。

例えば、次のようなムダがあります。

  • 無駄な在庫関連作業(在庫の入れ替え、後ろにあるものを取り出す、仮置きしたものを移動する等)
  • 在庫を探す作業
  • 入荷したものを置くための場所確保のための作業

無駄な作業が増えると、忙しさによってミスが増えます。さらにミスを挽回するために時間がとられ、ミスが増える・・・

といったように雪だるま式に無駄が増えます。

 

適正在庫管理をすれば、ムダな作業が減るだけではなく、注文処理、配送、補充などのオペレーションプロセスを合理化や自動化ができます。

これにより作業スピードと正確性が向上します。

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ここまで、適正在庫について計算方法から維持方法まで解説しました。

しかし、どの方法を選べば良いか分からない・・・・という方はぜひ在庫管理セミナーをご検討ください。

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