適正在庫・一元管理に役立つ!失敗しないマスタ管理と採番方法

この記事では、マスタの作り方とコードの採番方法について専門家の立場からわかりやすく解説します。

在庫管理110番には、下記に関するご相談を多くいただきます。

  • 適正在庫(欠品や過剰在庫を減らしたい)
  • 在庫の一元管理

現在の状況を聞いてみると、マスタ情報の整備に問題があることがとても多いです。

残念ながら、商品(部品)マスタの情報がきちんと整備されていないと、適正在庫も在庫の一元化も実現が難しくなります。

商品(部品)マスタを

  • きちんと整備したい
  • これから整備する

という方はぜひこの記事をご覧ください。

マスタはシステムの中で最も重要な情報

マスターとは「基本情報のこと」です。マスタとも呼ばれています。

システムを使う上で、必ず必要な重要な情報です。マスタデータが無いと、システムが動きません。

マスタデータの役割

マスタデータは主語的なデータ、そのデータを使う、在庫管理、受注管理、販売管理などの機能は、述語的データといえます。

つまり、マスタデータを何も考えずに適当に登録してしまうと在庫管理、受注管理、販売管理などの機能が働かなかったり、使えないデータが作成されてしまいます。

特に、在庫管理システムで重要なのは、「商品(部品・製品)マスター」です。

このマスタには、その企業が販売する商品や生産で使用する部品の情報を登録します。

商品(部品)マスターは最初にきちんと整える

特に、在庫管理システムで重要なのは、「商品(部品・製品)マスター」です。

このマスタには、その企業が販売する商品や生産で使用する部品の情報を登録します。

 
商品マスターには、次のような情報を登録します。
 
  • 品目ID(商品ID、部品ID)
  • 名称
  • 単価(仕入れ価格や販売価格)
  • サプライヤー(仕入先)
  • 購入ロット
  • 発注リードタイム

下図の「見出し」が商品マスターに登録する情報になります。

商品(部品)マスタ

最初に商品マスターを適切に設計しておくことで適正在庫や一元管理に役立てることができるようになります。

在庫管理には品目IDが必須

在庫マスターを作る時にまず最初にやらなければいけないのは、「それぞれに固有のコード(品目ID)を付けること」です。
このコードは、商品(部品)と一意に特定するキーになり、情物一致にも役立ちます。

情物一致は在庫管理で一番大切な基本

品目IDを持たずに、名前だけで在庫管理や商品管理を行っている会社もあります。

しかし、名称だけで管理すると、次のような問題が生じています。

  • 人によって微妙に呼び名が違い通じない
  • 長い名称のため入力・検索に時間がかかる
  • 入力ミス、確認ミスで、仕入れや販売ミスが起こってしまう。
  • 半角と全角を打ち間違え、別モノになってしまう

コードを付けることを面倒だと思う会社もあるようですが、コードを付けずに起こる間違いのほうがかえって致命的なミスを生みかねません。面倒でもコードを作成・付与することで、間違いがなくなります。(最初は面倒ですが、そのうち慣れます)

在庫分析にも役立つ

商品マスタを正しく設定すると、適正在庫に欠かせない在庫分析にも役立ちます。

ABC分析で優先順位を決める

上記の表は、ABC分析の例ですが、例えば

  1. 仕入先別でABC分析
  2. 販売先別でABC分析
  3. 仕入れ・販売金額別でABC分析

などがマスタを正しく設定することで可能になります。

在庫分析の方法を紹介した記事はこちらです。

5つの代表的な在庫分析の手法

採番ルール(コード体系)の考え方

在庫マスターを作るときに、最も重要なのは「コードの採番ルール=コード体系」です。
コードを作るときの原則は以下の通りです。

  • 採番ルールが全社で共通である
  • 簡単である
  • 将来的に桁数不足に陥らないように拡張性を視野に入れておく
  • 複数の部品で同一コードを使わない

コードの採番方法は主に次の2つに分類します。

  • 意味ありコード
  • 意味無しコード

意味あり、意味なしには、一長一短があります。

取り扱う在庫品目ごとに応じて適切な作り方を選択します。

部品番号・商品コードの採番方法と管理のポイント

原則、意味無しコードを使用する

結論からいうと「意味無しコード」のほうが良いです。

その理由は、コードの破綻(パンク)が起こりにくいからです。

コードの寿命は長い

コードはシステムを変更しても、そのまま新しいシステムに移行して使うことが多いので、当初では、事業や社会環境の変化によって、想定していなかったようなことが起こります。

意味ありコードは、コード破綻(パンク)する可能性が高い

意味ありコードの利点は、コードを見ただけで「コードを見ただけで、商品に必要な情報を想像しやすい」ということで採用する会社が多いです。しかし長期的に見ると、次のようなデメリットがあります。

  • 使える桁数が少なくなる
  • 想定外の分類が出たときに対応が難しい

上記のようなことが起こり、コードの破綻(パンク)が発生します。一度、コードの破綻が起こってしまうと、それまで意味を持っていたコードが無意味になってしまいます。

また、厄介なことに、コードが破綻するかどうかは、コードを設定して使い始めて数年以上経過しないとわからないことです。

意味ありコードを採用する場合は、拡張性を考えて慎重に設定しなければいけません。

マスタの管理項目や採番ルールに関するご相談

在庫管理110番では、

  • マスタにどのような項目を設定したほうが良いのか
  • 採番ルール
  • 意味ありコードの設定方法
  • 現在の採番体系の見直し
  • 部署や事業所別でバラバラの採番体系を一元化

など、マスタに関するご相談を承っています。

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