在庫管理を効率化させるツールには、在庫管理ソフトや在庫管理システムがあります。
いずれも日々の在庫管理における業務改善や生産性向上のためのソリューションです。
ここでは、在庫管理ソフト・在庫管理システムに関する導入コストについて紹介します。
在庫管理ソフトは大きくわけて、「オーダーメイドソフト」「パッケージソフト」の2種類があります。
それぞれを導入する目安は、以下の通りです。
在庫管理ソフトの種類 | 費用 |
オーダーメイドソフト | 開発費:数百万円~数千万円 |
パッケージソフト | 初期費用:300万円~ |
在庫管理システムは「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。
費用感は、以下の通りです。
在庫管理システムの種類 | 費用 |
クラウド型 | 月額:数万円~(一部無料プランもあり) |
オンプレミス型 | 開発費:数十万円~数100万円 |
なお、簡易な在庫管理表であれば、エクセルでも十分です。
在庫管理110番では、在庫管理アドバイザーが作成した無料テンプレートを配布していますので、ご活用ください。
今回は、本格的に在庫管理をシステム化したい方に向けて、在庫管理ソフト・在庫管理システムの価格を詳しく説明していきます。
もっとも安いのはパッケージ型の在庫管理ソフトですが、あまりおすすめできません。
なぜなら、最初から豊富な機能が搭載されていますが、「自社に必要な機能が無い、逆にいらない機能がたくさんある」問ういうことが多く、お客様のご希望にあわせてさらに機能を追加してカスタマイズしていくことで、結果的にコスト高になる可能性があるからです。
在庫管理の専門家の視点で見ると、最も費用対効果が高いのは、最低限の機能を備えたクラウド型の在庫管理システムだと考えています。
ここからは、クラウド型の在庫管理システムを導入することでコストパフォーマンスが向上する理由もあわせて紹介します。
目次
1.オーダーメイドの在庫管理ソフト
オーダーメイドの在庫管理ソフトとは、文字通り、企業に合わせて一から作るソフトです。
自社で使いやすいように、好きな機能を装備することができます。
<オーダーメイドの特徴>
- 費用の目安:数百万円~数千万円
- イニシャルコストが発生する
- カスタマイズに応じてコストは高くなる
- 規模によっては開発期間が長期化する
- メンテナンス・保守費用がかかる
オーダーメイドの利点は、自由度が高いことですが、導入時に仕様・オプションをしっかりと決めないと、当初の見積もりよりも大幅に価格がふくれあがります。
お好みの機能を好きなように組み合わせていくことで、気が付くととんでもない料金になるケースがあります。
また、機能をあれもこれもと付け加えすぎてしまい、結局使い勝手が悪くなることも珍しくありません。
初期費用だけではなく、メンテナンスや保守などの維持に別途費用のかかるシステムが仕上がってしまいます。
2.パッケージの在庫管理ソフト
パッケージの在庫管理ソフトとは、最初からパッケージ商品として販売されている在庫管理ソフトです。
パソコンにソフトをインストールすることで使用できます。あらかじめ必要な機能が在庫管理ソフトには搭載されています。
<パッケージの特徴>
- 費用の目安:300万円~
- ソフト購入費用がかかる
- 機能の充実性によって価格が変わる
- インストール後すぐに使える
- 保守サービスは基本的に有償
オーダーメイドにより比較的安価に購入できる
最近では、より安く購入できる商品もありますが、選定を慎重に行う必要があります。
というのも、もともと搭載されている機能を変更したり追加したりすることができないからです。
もちろん自社の課題を解決する機能があらかじめ備わっていれば適切に運用できるので、その際はご安心ください。
しかし、ソフトを導入した後、必要な機能が無いことに気づくケースもあります。
特に、機能が豊富なソフトには注意してください。
結果的にオーダーメイドでカスタマイズを頼む羽目になり、導入コストが膨れ上がります。
カスタマイズができないソフトを導入した場合、以下のようなデメリットが発生します。
- 仕事のやり方や作業のフロー・工数をソフトに合わせる必要がある。
実際に使用すると余計な時間や手間がかかり、ソフトの使用を止めざるをえない。
パッケージソフトはリスクがあることを踏まえて、導入を検討しなければなりません。
4.在庫管理ソフトで絶対にダメな導入理由
在庫管理は100社あれば100通りのやり方があるので、自社に最適な在庫管理ソフトを導入しなければいけません。
自社に導入してメリットが感じられるような在庫管理ソリューションを選定しましょう。
そのためにも、次のような理由でソフトを導入するのはお勧めしません。
- 導入コスト、保守コストが安いから
- ランキングでお勧めソフトになっていたから
- 運営会社が有名だから
- 導入事例・実績が豊富だから
- 一括見積をした中で、一番安かったから
- 機能が充実しているから
- システム会社に勧められたから
一度導入したソフトは、5~10年と長く使います。
特に気を付けたい理由は、
導入・保守コストが安いから
コストは重要な要素ですが、コストを最重視して選択すると確実に失敗します。
理由は、業務との整合性が取れていないケースがほとんどだからです。
営業に勧められた
在庫管理110番への在庫管理システムの相談でも「システム会社の営業関係」トラブルはとても多いです。
実際に多いトラブルは
- 営業が「できます」といったことが、全然できなかった。
- グラフや帳票などのビジュアルで飛びついてしまった。
ITリテラシーが高く、システムの導入になれている会社はこの辺りのことをよく理解していることが多いです。
しかし、残念ながら、属人的な管理がはびこっている会社に限って、このような選択をすることが多いです。
システムの安さや見栄えに飛びついてしまう例が多いです。
使い勝手の悪いソフトは、業務効率を軽減するどころか、むしろ悪化させるため結果的にコストアップにつながります。したがって、ソフト選びは慎重に行わなければいけません。
もしコストを抑えながら在庫管理を実施したい場合、とくに小規模事業者~中小企業は、最小限の機能に絞った在庫管理システムがもっとも費用対効果が高いと言えます。
4.スマホで使える在庫管理ソフト
在庫管理ソフトでも、低コストで導入できて、かつ業務効率化に定評のあるサブスク型サービスを紹介します。
それは、スマホで在庫管理ができるクラウド在庫管理アプリ『ZAICO』です。
インターネット環境さえあれば、スマホ(iPhone, iPad, Android)アプリもしくはWebアプリをダウンロードして利用できます。Mac・Windowsのどちらでも使えて、簡単な在庫管理であればスムーズにできます。DataMatrix(データマトリックス)やバーコード、QRコードのカメラで便利に部品や商品の登録ができるほか、最大200件のデータ登録と簡易検索機能だけなら、月額料金が無料で使用できます。
最大200件のデータ登録と簡易検索機能だけなら、月額料金が無料で使用できます。
5.在庫管理システムの相場比較(2024年最新版)
在庫管理ソフトの費用について、オーダーメイド・パッケージ別に説明を行いました。
ここでは在庫管理システムについて比較をします。在庫管理システムでは、ユーザーがシステムにログインすれば、在庫データをリアルタイムで確認できることが大きな特徴です。
在庫管理システムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。
5-1.オンプレミス型とサブスクリプション型の費用
オンプレミス型
オンプレミス型ソフトとは、自社にサーバーを置いて、システムを導入するシステムです。
システム導入費のほかに、
- 社内ネットワーク構築
- サーバー設備費用 ※50万円~、さらに5年に1回程度、入れ替えが必要
- サーバー管理費
サーバー費用(50万円~)がかかります。
さらにさらに、サーバーの管理が必要です。サーバー管理には、
- サーバーが管理できる人材(サーバーとパソコンは全然違うので、サーバー専用人材が必要です。)
- サーバー環境(データのバックアップや、エアコンのきいた排熱できる適切な環境)
- セキュリティ対策(外部からの攻撃を防止する対策)
コストをケチってずさんなサーバー管理をすると、何かあった時にデータがすべて飛んでしまうこともあるので注意しましょう。
システム費用が安くても、サーバーを管理維持するコストがかかるので、総合的に見ると高コストであることが多く、オンプレミス型はあまりお勧めできません。
サブスクリプション型
これに対して、web上で利用できるクラウド型はサブスクリプション方式で、月額費用が発生します。
一般的な費用は、月額利用で数万円~が相場です。
機能が制限される無料プランであれば、数千円で利用できるサービスもあります。
クラウド型は、社内ネットワーク・サーバーの設置が不要で、バージョンアップも自動的に行われることが魅力です。製造業や物流業、卸売業、アパレル業、ecサイトなどビジネス形態を問わず、さまざまな企業に利用されています。
複数の拠点やオフィス、店舗があっても、インターネット環境さえあれば同時にアクセス可能で、何人ものユーザーで情報が共有できます。
モノの数量や入庫・出庫の履歴、事務用品の管理、伝票・納品書への情報の反映などを複数人の手で手軽に確認・編集できるため、在庫管理の俗人化も防ぎます。
こういった理由から、近年はクラウド型に人気が集まっています。
5-2在庫管理システムの費用を決める要素
在庫管理システムの費用は、どんな機能・サービスを求めるのかによって変動します。
- バーコードやハンディターミナル端末の活用
- 製品の発注・受注管理
- 管理項目の追加
- 生産管理システム、顧客管理システム、会計システムなど自社システムとの連携
- サポート体制の充実
- セキュリティへの対策
自社独自の機能を充実させるほど、料金はふくらみます。重要なのは、「どんな目的で、在庫管理システムを導入するか」という視点です。
多くの中小企業の経営状況から考えてみると、必要最小限の機能で十分です。さらに誰もが使いやすい画面で、操作・入力しやすいものを選ぶべきでしょう。
- 商品情報管理
- 倉庫からの出荷・入荷登録
- 棚卸
- ロケーション管理
- 在庫移動
- 在庫分析
- 検索
最近では、無料で一定期間お試しができる在庫管理システムもあります。スムーズに導入できるか、実際に使用する人の間違いを防止できるかなど、トライアル期間を活かして自社の課題解決に有効かどうか、確認することをおすすめします。
効率的に運用できる環境を整備して、利用を開始していきましょう。
5-3.在庫管理システム・在庫管理ソフトの選び方
在庫管理システム・在庫管理ソフトは基本的に有料なので、どのツールを導入するにしても、コストが発生します。
自社に合ったシステム・ソフトを選ぶポイントは以下の通りです。
- 必要最低限の機能があるか
- 導入後のサポート・保守体制はあるか
- 同じ業界・業種で事例・実績はあるか
- 導入~運用までトータルでの費用対効果が高いか
以上のように、中長期的な視点で本当に役立つのか、利益をもたらすのかを検討しなければなりません。
在庫管理システムと在庫管理ソフトの費用を比較してみると、いずれも開発する場合は、どうしてもコストが大きくなります。
もっとも安く導入するならパッケージの在庫管理ソフトですが、コストパフォーマンスの高さではクラウド型の在庫管理システムに軍配が上がります。予算に合わせて検討してみるのが良いでしょう。
6.システムより大切なのは在庫管理の「基本」
残念ながら、システム導入の失敗を繰り返す企業があるのが現実です。
どんなに優れた在庫管理システム・在庫管理ソフトであっても、目的を果たすことができなければ、導入する意味がありません。
ツールに頼れば頼るほど、本来の在庫管理業務がおろそかになっていく企業が多くあります。
それらの企業に共通しているのは、基本が整備されていない点です。
『在庫管理110番』は、日ごろの業務に役立つノウハウを「在庫管理の基本」としてまとめています。対策をしても課題の解消が実感できないときは、お役立てください。
とくに在庫管理システム・在庫管理ソフトにおいては、以下のような問題が発生します。
- 従業員がツールを導入する目的を理解していない
- 導入後の運用ルールが統一されていない
- システムに丸投げして正確な現物管理ができていない
「もっとも優れた機能はどれか」「費用を抑えられるサービスはどれか」と考えることは大切です。しかし、商品選びよりも、いかに導入を成功させるのかということに時間を費やさなければなりません。そのためにも在庫管理を徹底して「基本」から習得してください。
7.クラウド型システム『成長する在庫管理』
成長する在庫管理システムの開発のコンセプトは、切れるシステム
『在庫管理110番』では、小規模事業者・中小企業に最適な在庫管理システㇺを提供しています。
実は、在庫管理システムを導入した企業の約75%が不満を持っています。
この現状を変えるために開発したのが、クラウド型『成長する在庫管理システム』です。
在庫管理のことを知り尽くしたプロが独自で企画したシステムで、現場での使いやすさを第一に考えたシンプルなデザインで、誰でも手軽でカンタンに使えます。
8.在庫管理の教科書(絶対にシステム導入を成功させるためには)
まとめ
在庫管理を効率化させる在庫管理ソフト・在庫管理システムについてご紹介しました。
在庫管理ソリューションの導入は、物品の場所の把握や生産・顧客の管理、一元管理に貢献しますが、そのためには基礎を学ぶことが重要です。
企業の要となり得る在庫管理について、今一度在庫の管理環境を見直してみてはいかがでしょうか?
自社の取り扱う商品や規模にあった在庫管理システムの構築でお悩みなら、弊社へご相談ください。
IT導入補助金を利用した在庫管理システム導入や、コンサルティングも承っています。
ご相談からシステムの導入、サポートまで、一括で対応させていただきます。
ご不明点やご不安な事がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。